墓地アドバンテージ・情報アドバンテージ

前置き

恐らく今回で当初予定していたものより遥かに長くなった用語解説は終了します。

次にアドバンテージのまとめをしてようやくプレイングやデッキ構築の心構えみたいなものに入っていきます。

 

墓地アドバンテージ

知っての通り墓地は使い終わった魔法罠カードや破壊されたモンスターが置かれる場所です。

普通のカードゲームでは一度ここに送られたら再利用は難しく、お互いのリソース確認程度にしか使えませんが、遊戯王において””墓地は第二の手札””と言われるほどに墓地の重要性は高いです。

 

 

・墓地から特殊召喚するカード

遊戯王カードの中でも代表的な《死者蘇生》のように「墓地からモンスターを特殊召喚する」テキストを持つカードです。

一般的に蘇生と呼ばれます。

このゲームでは蘇生カードがとても多く、墓地の準備こそ必要ですが《ジャンク・シンクロン》や《カメンレオン》のようなモンスターで蘇生効果を使うなら出すだけ(=手札消費一枚)でシンクロ召喚やエクシーズ召喚につなげることが出来るので強力です。

これらのカードはモンスターが墓地に送られるデッキではほぼ全てのデッキに採用されています。

 

・墓地を経由して効果が発動するカード

「~され墓地に送られた時(場合)に発動する」のようなテキストを持つカードです。

《シャイン・エンジェル》の「戦闘で破壊され墓地に送られた時攻撃力1500以下のモンスターを特殊召喚できる」、炎王モンスターの「効果で破壊され墓地に送られた場合に発動する」、暗黒界の「効果で手札から墓地に送られた場合~する」、シャドールモンスターの「効果で墓地に送られた場合に発動する」など、例を挙げればキリがありません。

アドバンテージを失いにくいだけではなく、これらのカード群にとって、墓地は展開の経由ルートでもあるのです。

 

・墓地から自身の効果で特殊召喚されるカード

先の墓地を経由して効果が発動するカードも一部これに含まれますが、先のカード群が「墓地に送られたらすぐに効果で特殊召喚される」、「テキストに決められたタイミングで特殊召喚される」のに対してこちらは自分のメインフェイズなら好きな時に発動できるカードを指すことにします。

自分の効果で墓地から特殊召喚できるモンスターは一般的に自己再生モンスターと呼ばれています。

使用率が高いカードだと《BFー精鋭のゼピュロス》や最上級征竜がこれらに該当します。

これらのカードは非常に強力で禁止カードにはノーコストで自己再生できる《グローアップ・バルブ》、無限に再生できる《フィッシュボーグ-ガンナー》が存在し、制限カードには最上級征竜四種類すべてが該当しています。

黄泉ガエル》《ゾンビ・キャリア》、《スポーア》はそれぞれ制限、禁止カードであった時期もありました。

これらは生贄としては勿論、融合にもシンクロにもエクシーズにも有効です。

 

最近では自己再生が出来てもデュエル中に一度だけ、自己再生したら除外されるなどデメリットがあり、繰り返しの自己再生が困難になっています。

 

・墓地から除外して効果を発動するカード

これには《超電磁タートル》や 《カーボネドン》等が該当します。

特定のタイミングで除外することにより効果を発動できます。

手札やボードを一切消費しない割には強力効果を持つカードが多く、相性の良いデッキでは積極的に採用されています。

ただ、奇襲性は皆無なので《超電磁タートル》や墓地の《虹クリボー》などは予め対策を練られてしまうのは公開情報故、逃れられないことではあります。

 

また、モンスターに限らず《ブレイクスルー・スキル》などの墓地から除外して効果を発動できる一粒で二度おいしい魔法罠カードも存在します。

 

・墓地を除外して効果が発動するカード

先のカード群は自らを除外して自身の効果を発動するカードであるのに対してこちらは墓地のカードを自らのコストとして除外してモンスター効果を発動させるカードが該当します。

ダーク・アームド・ドラゴン》、《セイクリッド・ソンブレス》、《マドルチェ・ホーットケーキ》(正確にはカードの除外は効果ですが) 等が該当します。

準備が必要である(=単体で機能しない)分、序盤からの発動はなかなか難しいものがありますが決まった時のリターンは大きく、有利に試合を進行することが出来ます。

デッキは選ばれますが強力なカードが揃い踏みしています。

 

・墓地を除外して特殊召喚されるカード

代表的なのは《カオス・ソルジャー-開闢の使者-》、《混沌帝龍-終焉の使者-》、最上級征竜でしょう。

それぞれ指定された種類の属性のモンスターを二体除外するという条件で召喚が可能です。

例を挙げたカードはその容易な特殊召喚条件に見合わず強力なパワーを持っているのでそれぞれ「最強のカード」「最恐のカード(凄まじい弱体化を受けた今となっては昔の話)」「最強のデッキ」と呼ぶ人もいます。

 

墓地にカードがあるだけで召喚することが可能なカードです。

再利用する目処がないカードはこいつらで除外してしまいましょう。墓地のカードを余すことなく使うのです。

どれも該当する属性がデッキに入っていれば投入候補に挙がります。

 

・墓地を参照するカード

書いてたら思いついたので一応書きます。

上記に比べて強力なカードは多くなく、採用率も低いどころか使われる場面すら見かけませんが一応。

《神竜-エクセリオン》は墓地の同名カードによって効果を得ます。

《真紅眼の闇竜》や《超魔導剣士ーブラックパラディン》は墓地のドラゴン族モンスターの数、攻撃力が上昇します。

初代ageによって【真紅眼】や【ブラック・マジシャン】は強化されているのでこれから目にかかる機会は多いと思いますが、《神竜-エクセリオン》を使っている人が見れた時は《幽鬼うさぎ》のシークレット(執筆時5000円)が5パックで当たるよりラッキーだと思います。

 

 墓地の総括

  • 墓地は第二の手札
  • 墓地は資源
  • 墓地は展開の中継地点
  • 使い終わったカードが送られるのは除外ゾーン

 

 

情報アドバンテージ

相手のデッキが知れるのはそれだけで有利です。

相手の伏せカードも《聖なるバリア‐ミラーフォース‐》か《モウヤンのカレー》かが判断できれば攻める時に制限がかかることもありません。

相手の手札が分かればこちらのマストカウンターも決まりやすくなり、守りの面でも致命傷を与えることが出来ます。

マンガ内ではペガサス・J・クロフォードは千年眼によって海馬を圧倒しました。

手札にもフィールドにもテンポにもライフにも墓地にも影響しないのがこの情報アドバンテージですが、知るだけでいいのでカードを使わずして相手より優位に立つことが出来ます。

 

とはいえ実際に千年眼を使える人間は恐らく存在しないでしょう。

相手の手札や伏せカードを勝手に見たりするのはルール違反です。

ではどうやって相手の手札を判断していくのでしょうか?

 

サーチカードによる判別方法

デッキの話になりますがどんなカードも山札に眠っているのでは意味を成しません。

デッキから離れてようやく能力を発揮するのです。

今のデッキはほぼ全てのデッキに山札から手札に加えるサーチカードや墓地のカードを手札に加えるサルベージカードが入っています。

特に「サーチカード」の投入率は非常に高く、今では「サーチカードをサーチするサーチカード」までもがあり、デッキ半分が「サーチカード」で占められるものもあります。これらのカードを駆使することによって一ターン目からデッキの力を発揮することが出来ます。

逆にいうと早い段階で相手のデッキが判明する可能性が高くなるという事です。

 

例えば相手が先攻一ターン目で《増援》を発動したとします。

相手の《増援》のサーチ先が

 

だったとします。

1.の場合は《真六武衆‐カゲキ》を使うデッキは【六部衆】しかないのですぐに相手のデッキが【六武衆】だという事が分かりますね。

2.の場合は《星因士デネブ》を使うデッキは【テラナイト】もしくは【セフィラ】のどちらかです。執筆時は【テラナイト】の使用率の方が圧倒的に高いので【テラナイト】と判断して差し支えないでしょう。《星因士デネブ》を《増援》でサーチしたターンは多くの場合《星因子デネブ》が召喚されるのでそこから判断しても問題はないです。

3.の《E・HEROエアーマン》を使うデッキはHEROが入るデッキですがメインデッキに入るHEROだけでもE・HERO、D・HERO、E‐HEROとあり、それらを使うデッキは【純HERO】から【青眼の白龍】と幅広く、更にこれらにも細かい分け方があるのでここだけでは判別が不可能です。

E・HEROエアーマン》でサーチするのが《E・HEROバブルマン》であった場合は【融合HERO】【マスクHERO】【アライブHERO】【HEROビート】と絞れますが、どれもプレイが違うのでサーチした時点でデッキを判断するのは早計です。

 

必ずしもサーチカードを発動した時点でデッキ判明するわけではないのですが、多くの場合サーチカードを発動した時点でデッキの判別がしやすく早い段階で戦術を立てられるようになります。

 

サーチカード以外の判別方法

詳細な判断は難しいものがありますが相手は発動した罠カードでもデッキがある程度絞れます。

例えば《激流葬》を相手が発動したとします。

《激流葬》は全てのモンスターを破壊する超強力なカードですが、自分のモンスターも破壊されてしまう可能性があり、状況によってはハイリスクなカードでもあります。

このリスクを抑えるために《激流葬》は必然的に自分で破壊してもアドバンテージの損失の少ないカードが投入されたデッキに採用されることになります。

例:ペンデュラムモンスターが多いデッキ、墓地アドバンテージの「墓地を経由して効果が発動するカード」が多いデッキ

 

また、《リビングデッドの呼び声》は「特殊召喚された場合(時)発動する」テキストを持つカードが多いデッキや強力な永続効果も持つカードが多いデッキで採用されやすいです。

当然墓地にモンスターがいないと発動すらできないのでペンデュラムを使用するデッキには採用しにくいです。

 

相手のデッキに《激流葬》と《リビングデッドの呼び声》が入っていた場合、相手のデッキは

  • ペンデュラム主体のデッキではない
  • 墓地を経由して効果が発動するカードが多いデッキ
  • もしくは、特殊召喚時に発動する効果でアドバンテージを取るデッキ

ということまで絞れますね。

 

ここまで判明するとプレイング面で意識するべきことは

  • 相手のモンスターは破壊してもアドバンテージがとりにくい
  • 《激流葬》で自分の場を空けられてしまうと《リビングデッドの呼び声》で攻められてしまうので出しきらないで後続を用意する

が挙がると思います。

 

《激流葬》も《リビングデッドの呼び声》も汎用性が高い(=どのデッキでも入りうる)のでこう上手くいくことは必ずしもないと思います。

しかし、これでデッキが絞れることも少なくないので練習してみて下さい。

 

情報アドバンテージはいわばプレイヤーのゲームに対する知識が重要になるアドバンテージです。

いちいち細かく説明するとキリがなくなってしまうので中途半端ですが終わりにします。

他にも判別方法があるので実際に自分でやってみて会得してみてください。

 

情報アドバンテージの心掛け

  • 相手が見せたカードはすべて覚える
  • 見せられたカードで判断できるようにカードの知識をつける

 

基本はこれに限ります。

意味不明な点があったらどんどん質問してください。