ライフアドバンテージ

はじめに

デッキ調整やムジュラの仮面プレイで遅くなってしまいました。

勝利に直結する基礎的なアドバンテージの解説は本項で終了します。

かなり長くなってしまいましたが、どれも今は深く理解する必要はないです。

だいたいどれもこんなものかな?、と思って頂ければ問題ありません。

実践を繰り返していくうちに自然と理解してゆきます。

 

前置き

このゲームの最も基本的な勝利条件は相手のライフポイントを0にすることです。

ビートダウンデッキ同士の対決において、デッキ切れや特殊勝利が発生することはごくまれで、ましてや特殊勝利は狙わないと絶対に起こりえません。

 

LPが0になったら敗北という事は逆にいうとLPが0にならない限り敗北しないという事です。

残りライフが50の時に、自分のライフを半分にするカード三回使って残LPが7になっても負けではありません。

 

ライフアドバンテージとは?

今まで説明してきたアドバンテージは単純に枚数が多い方、速度が速い方が絶対有利でした。

ライフももちろん多い方が有利です。

ライフだけを見て8000vs100なら8000側が有利なのは火を見るより明らかです。

しかし、100側が攻撃力5000のモンスター二体がフィールドにいて、8000側がコントロールするカードが何もなかったのなら100側の方が有利といっても差支えないでしょう。

 

言い方はとても奇妙ですが、ライフは勝敗を決する数字であってライフの大小で勝負が決まるわけではないという事です。

 

カード一枚で逆転の可能性を秘めているこのゲームではライフは0でなければ同じといっても過言ではありません

 

ハンドアドバンテージとボードアドバンテージのように、ライフアドバンテージは他のアドバンテージと直接繋がっているわけではありません。

 

しかし、このライフアドバンテージをうまく使うことによってボードアドバンテージの獲得をしたり損失を抑えることが出来るのです。

 

多いに越したことはありませんがライフは必要最低限だけあればいいので今までのアドバンテージとは逸脱します。

 

ライフを使ったアドバンテージの獲得

アドバンテージを得る

 

《デビル・フランケン》

《ソウル・チャージ》

《神の宣告》

 

多くのライフを要求する有名なモンスター、魔法、罠カードから各種一枚ずつ選択しました。

 

まず各カードの解説に入ります

《デビル・フランケン》

5000ライフという莫大なライフコストと引き換えに融合モンスターを特殊召喚します。

《簡易融合》も同じくライフを払って融合モンスターを特殊召喚するカード。

《簡易融合》は主に《フージョニスト》、《旧神ノーデン》、《パンツァー・ドラゴン》等の一ターン限りの低レベル融合モンスターを融合召喚できるがエンドフェイズに破壊されてしまうので維持は出来ない。

《デビル・フランケン》は《青眼の究極龍》や《サイバー・エンド・ドラゴン》のような大型モンスターも召喚可能でしかもエンドフェイズに破壊されないので維持ができる。

出てくる融合モンスターの数こそ多いのですが出てくる融合モンスターは実質《ナチュル・エクストリオ》、《異星の最終戦士》、《サイバー・エンド・ドラゴン》の三種類でしょう。

《ナチュル・エクストリオ》《異星の最終戦士》は前者がほぼ全ての魔法罠カードを封じるモンスターで、後者がセット以外の召喚を封じてしまうモンスターです。

どちらも先攻で出されただけでデッキによっては勝負が決まってしまうことも多く、出しただけで勝負が決まるのなら5000の損失などあってないようなものです。

 

《ソウル・チャージ》

墓地のモンスターを好きな数召喚し、召喚したモンスターの数×1000ポイントのライフを失うというこのカードのデザイナーの精神状態を疑う意味不明のカードです。

死者蘇生は一枚でモンスターを一体召喚する。

つまりハンドアドアドバンテージを一枚失ってボードアドバンテージを一枚獲得し、さらに蘇生したモンスターがアドバンテージを生むカードなら+αのアドバンテージの獲得が見込める。

このカードは一枚でボードアドバンテージを最大五枚獲得しその分+αも見込める。

蘇生したモンスターで《神竜騎士フェルグラント》や《No.81超弩級砲塔列車スペリオルドーラ》などの突破困難なモンスターを出したり、布陣を召喚権を使わず築きあてしまえば数千のライフとカード一枚の損失を遥かに上回るアドバンテージを獲得できます。

 

 

《神の宣告》

ライフを半分払いあらゆる効果の発動を無効にします。

攻めには相手の《聖なるバリア‐ミラーフォース‐》など、守りには相手の初動を潰すことでそのままゲームエンドになってしまうことも多いカードです。

初動とは?

展開やゲームメイクするときの最初の動き。

【テラナイト】なら《星因子デネブ》、

《ブリキンギョ》で星4を出してエクシーズをするデッキなら《ブリキンギョ》、

《深海のディーヴァ》からワンキルが成立するデッキなら《深海のディーヴァ》のように展開をする時の一番初めの行動。

遊戯王はいかに上手く初動を通すかでそれ以降の有利不利が分かれるため非常に重要な行動。

多分次の次の次の項くらいで解説しますが《エフェクト・ヴェーラー》が強い理由はそれらを無効にできるため。

相手にとって致命的な1:1交換かそれ以上が望めます。

 

この様にライフを払うカードはリスキーな分見返りも大きいです。

現に《ソウル・チャージ》と《神の宣告》は制限カード《デビル・フランケン》に至ってはかつては禁止カードでした。

0にならないようにライフを上手く使うことによって非常に大きなアドバンテージの獲得を見込めます。

 

カードアドバンテージの損失を抑える

地味ですがとても重要です。

遊戯王においてボードアドバンテージの最もポピュラーなボードアドバンテージの獲得方法は戦闘破壊です。

ペンデュラムモンスターや破壊された時に効果が発動するモンスターでなければ普通は0:1交換が成立します。

 

攻撃を受ける側の話をしますとモンスターを守備表示でセットするというのはカードを一枚失う代わりに攻撃を一回防ぐという行為です。

逆にいうと守備表示でモンスターをセットしないで直接攻撃を受ければライフと引き換えにそのセットするモンスターを守ることが出来るのです。

 

例えばお互いライフ4000ので、自分のカードは手札の《ブリキンギョ》のみで、相手のカードはフィールドの《サイバー・ドラゴン》のみが存在するとします。

ここで《ブリキンギョ》をセットすれば相手の攻撃を一度は耐えることが出来ます。

しかし、このままでは《サイバー・ドラゴン》を倒すことは出来ず、その後に攻撃を二回されて負けてしまうでしょう。

 

ここは《ブリキンギョ》を使わずに《サイバー・ドラゴン》の攻撃を自分が受けて次のドローを待ちます。

もし次のドローが星4モンスターならば次のターンでエクシーズ召喚をして《サイバー・ドラゴン》を倒すことが出来ます。

ここで星4モンスターを引けなかったなら諦めて《ブリキンギョ》をセットして次のドローに賭けましょう。

ライフは0にならなければ同じなのです。

 

必ずこのような場面に遭遇します。

思考停止でセットしないで考えてみましょう。

 

ライフに関する重要な知識

ライン

三回ほど「ライフは0にならなきゃ同じ」と言いましたが中にはこの数値を下回ると即死の可能性があるラインなるものが存在します。

ポケモンで言うとHP40でりゅうのいかりのような定数ダメージを受けたり、HPが1/16より下の時にどくどくを食らう・天候ダメージを受ける、ステルスロックを食らうと瀕死になるというイメージです。

800ライン

《ガガガガンマン》の守備表示の効果で相手に800ダメージを与えます。

別名:ガンマンライン

ランク4主体のデッキには絶対に入っています。

最も遭遇する場面なので相手に星4×2が並んでいる、並ぶ状態の時に800を下回ってはいけません。

逆に自分が使うときはこの効果はメイン2でも使えるので意識するといいでしょう。

 

2000ライン

ランク4は《No.82ハートランドラコ》による直接攻撃、

縛りのあるモンスターだと《輝光子パラディオス》の攻撃力を0にする効果からの戦闘、

ランク10だと《超弩級砲塔列車グスタフマックス》の効果ダメージが該当します。

《輝光子パラディオス》、《超弩級砲塔列車グスタフマックス》はデッキが限られますが、《No.82ハートランドラコ》はランク4主体のデッキでの採用率は高いので意識しましょう。

 

2500ライン

《ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》は効果を発動すると2500の戦闘ダメージを与えることが出来ます。

攻撃表示のモンスターが前提なのと、相手の場に左右されにくい先の二体とくらべてややキツめです。

上二つに比べると比較的決まりにくいですが《ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》自体採用率は上記と同じ程度で、汎用性なら上の二体より高いので出てくる場面は多く、仮に削り切ることに失敗しても高攻撃力のモンスターが残ります。

 

ライフゲイン

ライフゲインとはその名の通り使ったプレイヤーのライフを増やすカードです。

しかし、ライフを増やすことのみを目的としたカードはハンドアドバンテージを一枚損失して良くてモンスターの攻撃一回分のライフが回復する程度なのではっきり言って弱いです。

最大固定回復量は精々《三位一択》の3000です。

しかし《三位一択》は世界大会、またはその予選においては禁止カード。

大会では時間制限を超えるとライフが多い方が勝利する。

わざと遅延し、このカードを発動すればプレイングや構築をおろそかにしても勝利出来る。

非常に卑怯な戦法で流石に問題視されたのかとうとう禁止に指定された。

ライフは0以外なら同じというように、仮に1000回復してもそれは無意味にカードを一枚捨てたことに等しいです。

【キュアバーン】のような特殊なデッキにのみ投入され、ビートダウンデッキにはまず採用されません。

《エンシェント・フェアリー・ドラゴン》のようなライフ回復がついでのカードならあって損はありませんが《治療の神ディアンケト》、《ご隠居の猛毒薬》の回復効果は使うだけカードの無駄といっても過言ではありません。

 

バーンダメージ

効果ダメージです。

こちらもライフゲインと言いたいことは同じです。

しかしライフゲインよりは有効です。

自分のライフが1億になっても勝利することはありませんが相手のライフが0になってしまえば勝てるのですから。

自分が1000回復するカードと相手に1000ダメージを与えるカードなら後者を選択した方が賢明でしょう。

しかし、ダメージを与えることのみで採用するのは有効とは言い難いものです。

 

 

テンポアドバンテージもライフアドバンテージも目に見えないものなので説明が難しかったのですが一応これにて終わりにします。

わからないことはささいなことでも遠慮せずにコメントなどで聞いて下さい。

 

総括

  • ライフは0じゃなければ同じ
  • ライフを有効に使うとアドバンテージが生み出せる
  • ラインに気を付ける
  • ライフゲインは基本的に弱い