墓地アドバンテージ・情報アドバンテージ

前置き

恐らく今回で当初予定していたものより遥かに長くなった用語解説は終了します。

次にアドバンテージのまとめをしてようやくプレイングやデッキ構築の心構えみたいなものに入っていきます。

 

墓地アドバンテージ

知っての通り墓地は使い終わった魔法罠カードや破壊されたモンスターが置かれる場所です。

普通のカードゲームでは一度ここに送られたら再利用は難しく、お互いのリソース確認程度にしか使えませんが、遊戯王において””墓地は第二の手札””と言われるほどに墓地の重要性は高いです。

 

 

・墓地から特殊召喚するカード

遊戯王カードの中でも代表的な《死者蘇生》のように「墓地からモンスターを特殊召喚する」テキストを持つカードです。

一般的に蘇生と呼ばれます。

このゲームでは蘇生カードがとても多く、墓地の準備こそ必要ですが《ジャンク・シンクロン》や《カメンレオン》のようなモンスターで蘇生効果を使うなら出すだけ(=手札消費一枚)でシンクロ召喚やエクシーズ召喚につなげることが出来るので強力です。

これらのカードはモンスターが墓地に送られるデッキではほぼ全てのデッキに採用されています。

 

・墓地を経由して効果が発動するカード

「~され墓地に送られた時(場合)に発動する」のようなテキストを持つカードです。

《シャイン・エンジェル》の「戦闘で破壊され墓地に送られた時攻撃力1500以下のモンスターを特殊召喚できる」、炎王モンスターの「効果で破壊され墓地に送られた場合に発動する」、暗黒界の「効果で手札から墓地に送られた場合~する」、シャドールモンスターの「効果で墓地に送られた場合に発動する」など、例を挙げればキリがありません。

アドバンテージを失いにくいだけではなく、これらのカード群にとって、墓地は展開の経由ルートでもあるのです。

 

・墓地から自身の効果で特殊召喚されるカード

先の墓地を経由して効果が発動するカードも一部これに含まれますが、先のカード群が「墓地に送られたらすぐに効果で特殊召喚される」、「テキストに決められたタイミングで特殊召喚される」のに対してこちらは自分のメインフェイズなら好きな時に発動できるカードを指すことにします。

自分の効果で墓地から特殊召喚できるモンスターは一般的に自己再生モンスターと呼ばれています。

使用率が高いカードだと《BFー精鋭のゼピュロス》や最上級征竜がこれらに該当します。

これらのカードは非常に強力で禁止カードにはノーコストで自己再生できる《グローアップ・バルブ》、無限に再生できる《フィッシュボーグ-ガンナー》が存在し、制限カードには最上級征竜四種類すべてが該当しています。

黄泉ガエル》《ゾンビ・キャリア》、《スポーア》はそれぞれ制限、禁止カードであった時期もありました。

これらは生贄としては勿論、融合にもシンクロにもエクシーズにも有効です。

 

最近では自己再生が出来てもデュエル中に一度だけ、自己再生したら除外されるなどデメリットがあり、繰り返しの自己再生が困難になっています。

 

・墓地から除外して効果を発動するカード

これには《超電磁タートル》や 《カーボネドン》等が該当します。

特定のタイミングで除外することにより効果を発動できます。

手札やボードを一切消費しない割には強力効果を持つカードが多く、相性の良いデッキでは積極的に採用されています。

ただ、奇襲性は皆無なので《超電磁タートル》や墓地の《虹クリボー》などは予め対策を練られてしまうのは公開情報故、逃れられないことではあります。

 

また、モンスターに限らず《ブレイクスルー・スキル》などの墓地から除外して効果を発動できる一粒で二度おいしい魔法罠カードも存在します。

 

・墓地を除外して効果が発動するカード

先のカード群は自らを除外して自身の効果を発動するカードであるのに対してこちらは墓地のカードを自らのコストとして除外してモンスター効果を発動させるカードが該当します。

ダーク・アームド・ドラゴン》、《セイクリッド・ソンブレス》、《マドルチェ・ホーットケーキ》(正確にはカードの除外は効果ですが) 等が該当します。

準備が必要である(=単体で機能しない)分、序盤からの発動はなかなか難しいものがありますが決まった時のリターンは大きく、有利に試合を進行することが出来ます。

デッキは選ばれますが強力なカードが揃い踏みしています。

 

・墓地を除外して特殊召喚されるカード

代表的なのは《カオス・ソルジャー-開闢の使者-》、《混沌帝龍-終焉の使者-》、最上級征竜でしょう。

それぞれ指定された種類の属性のモンスターを二体除外するという条件で召喚が可能です。

例を挙げたカードはその容易な特殊召喚条件に見合わず強力なパワーを持っているのでそれぞれ「最強のカード」「最恐のカード(凄まじい弱体化を受けた今となっては昔の話)」「最強のデッキ」と呼ぶ人もいます。

 

墓地にカードがあるだけで召喚することが可能なカードです。

再利用する目処がないカードはこいつらで除外してしまいましょう。墓地のカードを余すことなく使うのです。

どれも該当する属性がデッキに入っていれば投入候補に挙がります。

 

・墓地を参照するカード

書いてたら思いついたので一応書きます。

上記に比べて強力なカードは多くなく、採用率も低いどころか使われる場面すら見かけませんが一応。

《神竜-エクセリオン》は墓地の同名カードによって効果を得ます。

《真紅眼の闇竜》や《超魔導剣士ーブラックパラディン》は墓地のドラゴン族モンスターの数、攻撃力が上昇します。

初代ageによって【真紅眼】や【ブラック・マジシャン】は強化されているのでこれから目にかかる機会は多いと思いますが、《神竜-エクセリオン》を使っている人が見れた時は《幽鬼うさぎ》のシークレット(執筆時5000円)が5パックで当たるよりラッキーだと思います。

 

 墓地の総括

  • 墓地は第二の手札
  • 墓地は資源
  • 墓地は展開の中継地点
  • 使い終わったカードが送られるのは除外ゾーン

 

 

情報アドバンテージ

相手のデッキが知れるのはそれだけで有利です。

相手の伏せカードも《聖なるバリア‐ミラーフォース‐》か《モウヤンのカレー》かが判断できれば攻める時に制限がかかることもありません。

相手の手札が分かればこちらのマストカウンターも決まりやすくなり、守りの面でも致命傷を与えることが出来ます。

マンガ内ではペガサス・J・クロフォードは千年眼によって海馬を圧倒しました。

手札にもフィールドにもテンポにもライフにも墓地にも影響しないのがこの情報アドバンテージですが、知るだけでいいのでカードを使わずして相手より優位に立つことが出来ます。

 

とはいえ実際に千年眼を使える人間は恐らく存在しないでしょう。

相手の手札や伏せカードを勝手に見たりするのはルール違反です。

ではどうやって相手の手札を判断していくのでしょうか?

 

サーチカードによる判別方法

デッキの話になりますがどんなカードも山札に眠っているのでは意味を成しません。

デッキから離れてようやく能力を発揮するのです。

今のデッキはほぼ全てのデッキに山札から手札に加えるサーチカードや墓地のカードを手札に加えるサルベージカードが入っています。

特に「サーチカード」の投入率は非常に高く、今では「サーチカードをサーチするサーチカード」までもがあり、デッキ半分が「サーチカード」で占められるものもあります。これらのカードを駆使することによって一ターン目からデッキの力を発揮することが出来ます。

逆にいうと早い段階で相手のデッキが判明する可能性が高くなるという事です。

 

例えば相手が先攻一ターン目で《増援》を発動したとします。

相手の《増援》のサーチ先が

 

だったとします。

1.の場合は《真六武衆‐カゲキ》を使うデッキは【六部衆】しかないのですぐに相手のデッキが【六武衆】だという事が分かりますね。

2.の場合は《星因士デネブ》を使うデッキは【テラナイト】もしくは【セフィラ】のどちらかです。執筆時は【テラナイト】の使用率の方が圧倒的に高いので【テラナイト】と判断して差し支えないでしょう。《星因士デネブ》を《増援》でサーチしたターンは多くの場合《星因子デネブ》が召喚されるのでそこから判断しても問題はないです。

3.の《E・HEROエアーマン》を使うデッキはHEROが入るデッキですがメインデッキに入るHEROだけでもE・HERO、D・HERO、E‐HEROとあり、それらを使うデッキは【純HERO】から【青眼の白龍】と幅広く、更にこれらにも細かい分け方があるのでここだけでは判別が不可能です。

E・HEROエアーマン》でサーチするのが《E・HEROバブルマン》であった場合は【融合HERO】【マスクHERO】【アライブHERO】【HEROビート】と絞れますが、どれもプレイが違うのでサーチした時点でデッキを判断するのは早計です。

 

必ずしもサーチカードを発動した時点でデッキ判明するわけではないのですが、多くの場合サーチカードを発動した時点でデッキの判別がしやすく早い段階で戦術を立てられるようになります。

 

サーチカード以外の判別方法

詳細な判断は難しいものがありますが相手は発動した罠カードでもデッキがある程度絞れます。

例えば《激流葬》を相手が発動したとします。

《激流葬》は全てのモンスターを破壊する超強力なカードですが、自分のモンスターも破壊されてしまう可能性があり、状況によってはハイリスクなカードでもあります。

このリスクを抑えるために《激流葬》は必然的に自分で破壊してもアドバンテージの損失の少ないカードが投入されたデッキに採用されることになります。

例:ペンデュラムモンスターが多いデッキ、墓地アドバンテージの「墓地を経由して効果が発動するカード」が多いデッキ

 

また、《リビングデッドの呼び声》は「特殊召喚された場合(時)発動する」テキストを持つカードが多いデッキや強力な永続効果も持つカードが多いデッキで採用されやすいです。

当然墓地にモンスターがいないと発動すらできないのでペンデュラムを使用するデッキには採用しにくいです。

 

相手のデッキに《激流葬》と《リビングデッドの呼び声》が入っていた場合、相手のデッキは

  • ペンデュラム主体のデッキではない
  • 墓地を経由して効果が発動するカードが多いデッキ
  • もしくは、特殊召喚時に発動する効果でアドバンテージを取るデッキ

ということまで絞れますね。

 

ここまで判明するとプレイング面で意識するべきことは

  • 相手のモンスターは破壊してもアドバンテージがとりにくい
  • 《激流葬》で自分の場を空けられてしまうと《リビングデッドの呼び声》で攻められてしまうので出しきらないで後続を用意する

が挙がると思います。

 

《激流葬》も《リビングデッドの呼び声》も汎用性が高い(=どのデッキでも入りうる)のでこう上手くいくことは必ずしもないと思います。

しかし、これでデッキが絞れることも少なくないので練習してみて下さい。

 

情報アドバンテージはいわばプレイヤーのゲームに対する知識が重要になるアドバンテージです。

いちいち細かく説明するとキリがなくなってしまうので中途半端ですが終わりにします。

他にも判別方法があるので実際に自分でやってみて会得してみてください。

 

情報アドバンテージの心掛け

  • 相手が見せたカードはすべて覚える
  • 見せられたカードで判断できるようにカードの知識をつける

 

基本はこれに限ります。

意味不明な点があったらどんどん質問してください。

ライフアドバンテージ

はじめに

デッキ調整やムジュラの仮面プレイで遅くなってしまいました。

勝利に直結する基礎的なアドバンテージの解説は本項で終了します。

かなり長くなってしまいましたが、どれも今は深く理解する必要はないです。

だいたいどれもこんなものかな?、と思って頂ければ問題ありません。

実践を繰り返していくうちに自然と理解してゆきます。

 

前置き

このゲームの最も基本的な勝利条件は相手のライフポイントを0にすることです。

ビートダウンデッキ同士の対決において、デッキ切れや特殊勝利が発生することはごくまれで、ましてや特殊勝利は狙わないと絶対に起こりえません。

 

LPが0になったら敗北という事は逆にいうとLPが0にならない限り敗北しないという事です。

残りライフが50の時に、自分のライフを半分にするカード三回使って残LPが7になっても負けではありません。

 

ライフアドバンテージとは?

今まで説明してきたアドバンテージは単純に枚数が多い方、速度が速い方が絶対有利でした。

ライフももちろん多い方が有利です。

ライフだけを見て8000vs100なら8000側が有利なのは火を見るより明らかです。

しかし、100側が攻撃力5000のモンスター二体がフィールドにいて、8000側がコントロールするカードが何もなかったのなら100側の方が有利といっても差支えないでしょう。

 

言い方はとても奇妙ですが、ライフは勝敗を決する数字であってライフの大小で勝負が決まるわけではないという事です。

 

カード一枚で逆転の可能性を秘めているこのゲームではライフは0でなければ同じといっても過言ではありません

 

ハンドアドバンテージとボードアドバンテージのように、ライフアドバンテージは他のアドバンテージと直接繋がっているわけではありません。

 

しかし、このライフアドバンテージをうまく使うことによってボードアドバンテージの獲得をしたり損失を抑えることが出来るのです。

 

多いに越したことはありませんがライフは必要最低限だけあればいいので今までのアドバンテージとは逸脱します。

 

ライフを使ったアドバンテージの獲得

アドバンテージを得る

 

《デビル・フランケン》

《ソウル・チャージ》

《神の宣告》

 

多くのライフを要求する有名なモンスター、魔法、罠カードから各種一枚ずつ選択しました。

 

まず各カードの解説に入ります

《デビル・フランケン》

5000ライフという莫大なライフコストと引き換えに融合モンスターを特殊召喚します。

《簡易融合》も同じくライフを払って融合モンスターを特殊召喚するカード。

《簡易融合》は主に《フージョニスト》、《旧神ノーデン》、《パンツァー・ドラゴン》等の一ターン限りの低レベル融合モンスターを融合召喚できるがエンドフェイズに破壊されてしまうので維持は出来ない。

《デビル・フランケン》は《青眼の究極龍》や《サイバー・エンド・ドラゴン》のような大型モンスターも召喚可能でしかもエンドフェイズに破壊されないので維持ができる。

出てくる融合モンスターの数こそ多いのですが出てくる融合モンスターは実質《ナチュル・エクストリオ》、《異星の最終戦士》、《サイバー・エンド・ドラゴン》の三種類でしょう。

《ナチュル・エクストリオ》《異星の最終戦士》は前者がほぼ全ての魔法罠カードを封じるモンスターで、後者がセット以外の召喚を封じてしまうモンスターです。

どちらも先攻で出されただけでデッキによっては勝負が決まってしまうことも多く、出しただけで勝負が決まるのなら5000の損失などあってないようなものです。

 

《ソウル・チャージ》

墓地のモンスターを好きな数召喚し、召喚したモンスターの数×1000ポイントのライフを失うというこのカードのデザイナーの精神状態を疑う意味不明のカードです。

死者蘇生は一枚でモンスターを一体召喚する。

つまりハンドアドアドバンテージを一枚失ってボードアドバンテージを一枚獲得し、さらに蘇生したモンスターがアドバンテージを生むカードなら+αのアドバンテージの獲得が見込める。

このカードは一枚でボードアドバンテージを最大五枚獲得しその分+αも見込める。

蘇生したモンスターで《神竜騎士フェルグラント》や《No.81超弩級砲塔列車スペリオルドーラ》などの突破困難なモンスターを出したり、布陣を召喚権を使わず築きあてしまえば数千のライフとカード一枚の損失を遥かに上回るアドバンテージを獲得できます。

 

 

《神の宣告》

ライフを半分払いあらゆる効果の発動を無効にします。

攻めには相手の《聖なるバリア‐ミラーフォース‐》など、守りには相手の初動を潰すことでそのままゲームエンドになってしまうことも多いカードです。

初動とは?

展開やゲームメイクするときの最初の動き。

【テラナイト】なら《星因子デネブ》、

《ブリキンギョ》で星4を出してエクシーズをするデッキなら《ブリキンギョ》、

《深海のディーヴァ》からワンキルが成立するデッキなら《深海のディーヴァ》のように展開をする時の一番初めの行動。

遊戯王はいかに上手く初動を通すかでそれ以降の有利不利が分かれるため非常に重要な行動。

多分次の次の次の項くらいで解説しますが《エフェクト・ヴェーラー》が強い理由はそれらを無効にできるため。

相手にとって致命的な1:1交換かそれ以上が望めます。

 

この様にライフを払うカードはリスキーな分見返りも大きいです。

現に《ソウル・チャージ》と《神の宣告》は制限カード《デビル・フランケン》に至ってはかつては禁止カードでした。

0にならないようにライフを上手く使うことによって非常に大きなアドバンテージの獲得を見込めます。

 

カードアドバンテージの損失を抑える

地味ですがとても重要です。

遊戯王においてボードアドバンテージの最もポピュラーなボードアドバンテージの獲得方法は戦闘破壊です。

ペンデュラムモンスターや破壊された時に効果が発動するモンスターでなければ普通は0:1交換が成立します。

 

攻撃を受ける側の話をしますとモンスターを守備表示でセットするというのはカードを一枚失う代わりに攻撃を一回防ぐという行為です。

逆にいうと守備表示でモンスターをセットしないで直接攻撃を受ければライフと引き換えにそのセットするモンスターを守ることが出来るのです。

 

例えばお互いライフ4000ので、自分のカードは手札の《ブリキンギョ》のみで、相手のカードはフィールドの《サイバー・ドラゴン》のみが存在するとします。

ここで《ブリキンギョ》をセットすれば相手の攻撃を一度は耐えることが出来ます。

しかし、このままでは《サイバー・ドラゴン》を倒すことは出来ず、その後に攻撃を二回されて負けてしまうでしょう。

 

ここは《ブリキンギョ》を使わずに《サイバー・ドラゴン》の攻撃を自分が受けて次のドローを待ちます。

もし次のドローが星4モンスターならば次のターンでエクシーズ召喚をして《サイバー・ドラゴン》を倒すことが出来ます。

ここで星4モンスターを引けなかったなら諦めて《ブリキンギョ》をセットして次のドローに賭けましょう。

ライフは0にならなければ同じなのです。

 

必ずこのような場面に遭遇します。

思考停止でセットしないで考えてみましょう。

 

ライフに関する重要な知識

ライン

三回ほど「ライフは0にならなきゃ同じ」と言いましたが中にはこの数値を下回ると即死の可能性があるラインなるものが存在します。

ポケモンで言うとHP40でりゅうのいかりのような定数ダメージを受けたり、HPが1/16より下の時にどくどくを食らう・天候ダメージを受ける、ステルスロックを食らうと瀕死になるというイメージです。

800ライン

《ガガガガンマン》の守備表示の効果で相手に800ダメージを与えます。

別名:ガンマンライン

ランク4主体のデッキには絶対に入っています。

最も遭遇する場面なので相手に星4×2が並んでいる、並ぶ状態の時に800を下回ってはいけません。

逆に自分が使うときはこの効果はメイン2でも使えるので意識するといいでしょう。

 

2000ライン

ランク4は《No.82ハートランドラコ》による直接攻撃、

縛りのあるモンスターだと《輝光子パラディオス》の攻撃力を0にする効果からの戦闘、

ランク10だと《超弩級砲塔列車グスタフマックス》の効果ダメージが該当します。

《輝光子パラディオス》、《超弩級砲塔列車グスタフマックス》はデッキが限られますが、《No.82ハートランドラコ》はランク4主体のデッキでの採用率は高いので意識しましょう。

 

2500ライン

《ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》は効果を発動すると2500の戦闘ダメージを与えることが出来ます。

攻撃表示のモンスターが前提なのと、相手の場に左右されにくい先の二体とくらべてややキツめです。

上二つに比べると比較的決まりにくいですが《ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》自体採用率は上記と同じ程度で、汎用性なら上の二体より高いので出てくる場面は多く、仮に削り切ることに失敗しても高攻撃力のモンスターが残ります。

 

ライフゲイン

ライフゲインとはその名の通り使ったプレイヤーのライフを増やすカードです。

しかし、ライフを増やすことのみを目的としたカードはハンドアドバンテージを一枚損失して良くてモンスターの攻撃一回分のライフが回復する程度なのではっきり言って弱いです。

最大固定回復量は精々《三位一択》の3000です。

しかし《三位一択》は世界大会、またはその予選においては禁止カード。

大会では時間制限を超えるとライフが多い方が勝利する。

わざと遅延し、このカードを発動すればプレイングや構築をおろそかにしても勝利出来る。

非常に卑怯な戦法で流石に問題視されたのかとうとう禁止に指定された。

ライフは0以外なら同じというように、仮に1000回復してもそれは無意味にカードを一枚捨てたことに等しいです。

【キュアバーン】のような特殊なデッキにのみ投入され、ビートダウンデッキにはまず採用されません。

《エンシェント・フェアリー・ドラゴン》のようなライフ回復がついでのカードならあって損はありませんが《治療の神ディアンケト》、《ご隠居の猛毒薬》の回復効果は使うだけカードの無駄といっても過言ではありません。

 

バーンダメージ

効果ダメージです。

こちらもライフゲインと言いたいことは同じです。

しかしライフゲインよりは有効です。

自分のライフが1億になっても勝利することはありませんが相手のライフが0になってしまえば勝てるのですから。

自分が1000回復するカードと相手に1000ダメージを与えるカードなら後者を選択した方が賢明でしょう。

しかし、ダメージを与えることのみで採用するのは有効とは言い難いものです。

 

 

テンポアドバンテージもライフアドバンテージも目に見えないものなので説明が難しかったのですが一応これにて終わりにします。

わからないことはささいなことでも遠慮せずにコメントなどで聞いて下さい。

 

総括

  • ライフは0じゃなければ同じ
  • ライフを有効に使うとアドバンテージが生み出せる
  • ラインに気を付ける
  • ライフゲインは基本的に弱い

テンポアドバンテージ

結論から言いますと自分のペースで戦うことです。

マラソンでも一度自分のペースに持っていければ相手はそれを巻き返すために体力を使わざるを得ません。

ペースを握って相手より優位に立ってゆくのがこのテンポアドバンテージです。

ちなみに僕が勝手にそう呼んでるだけです。

ボードアドバンテージやハンドアドバンテージのように目に見えるアドバンテージではないのですが、ゲームメイクをするうえで非常に重要なアドバンテージですので意識しましょう。

 

無計画なせいでこの言葉一つに様々な意味を込めすぎてしまったのでかなり長くなってしまいましたが順を追って解説します。

 

前置き

遊戯王というカードゲームは8000という初期ライフポイントに比べてモンスターの攻撃力が高く設定されています。

 

デッキに入るアタッカー(=主に戦闘をするモンスター)攻撃力の目安

下級モンスター

1800~2000

上級モンスター

2400~

最上級モンスター

2800~

 

エクストラデッキに入るモンスター

シンクロモンスター

レベル5~7帯

2300~2800

レベル8

2500~3000

レベル9~

2700~3100

 

エクシーズモンスターに至ってはランク3でも高い攻撃力を誇る、

《No.17リバイス・ドラゴン》、《No.30破滅のアシッドゴーレム》

ランク4では多くのモンスターを戦闘破壊できて2500以上のダメージが望める《ダークリベリオン・エクシーズ・ドラゴン》、

ダイレクトアタックが可能で攻撃力2000というステータスを持つ《No.82ハートランドラコ》などを有しています。

ランク5~8は攻撃力が2500~、ランク10にまでなると3000越えも普通です。

 

長々と攻撃力を並べましたが何が言いたいかというとこのゲームは相手の攻撃を数回通してしまうだけで敗北になりかねないのです。

 

攻防のテンポアドバンテージ

ビートダウンデッキにおけるテンポアドバンテージはこの二つになります。

1.自分のカードを有利に展開しライフを削ること

2.相手のカードの展開や行動を妨害し、1.につなげること

ビートダウンデッキとは?

直訳で殴り倒す。

TCGではモンスターの戦闘で相手のライフを0にするデッキの総称。多くのデッキがこれに属する。

《封印されしエクゾディア》や《終焉のカウントダウン》の効果で勝利を狙う【エクゾディア】や【カウントダウン】などは特殊勝利デッキ。

《連鎖爆撃》、《堕天使ナース‐レフィキュル》《シモッチによる副作用》を使用する【チェーンバーン】、【シモッチバーン】などのカード効果によるダメージで相手のライフを0にするデッキはバーンデッキ。

メタモルポット》や《ニードル・ワーム》などの効果で相手のデッキを0にして勝利するデッキをまとめて【デッキ破壊】。

ルールの穴をついて勝利する外道なデッキを【TOD(TimeOverDeath)】という。

 

1.について

至極当然ですが、このゲームは自分がドローした次の相手ターンには相手もドローします。

ドローによって自分のハンドアドバンテージが追加され戦術も増すわけですが、次のターンになると同じく相手もハンドアドバンテージが増え戦術や取れる行動が増えてしまいます。

相手がカードを引けば引くほど自分が不利になるカードや相手のコンボを完成させてしまうカードを引く可能性も上がってしまう訳です。

そうなる前に相手のライフを削り取ることを目標とするのが1.のテンポアドバンテージです。

 

例えば自分のデッキが《切り込み隊長》と《終末の騎士》を利用したワンターンキルデッキだとします。

 

ー《切り込み隊長》と《終末の騎士》によるワンキルー

《切り込み隊長》の効果で《終末の騎士》を召喚。

《終末の騎士》を召喚した後にデッキから《闇・道化師のペーテン》を墓地に送り《闇・道化師のペーテン》の効果を発動。デッキから《闇・道化師のペーテン》を特殊召喚する。

《闇・道化師のペーテン》と《切り込み隊長》で《MX-セイバーインヴォーカー》をエクシーズ召喚する。

《MX-セイバーインヴォーカー》の効果でデッキから《H・Cエクストラソード》を特殊召喚する。

《H・Cエクストラソード》と《終末の騎士》で《機甲忍者ブレードハート》をエクシーズ召喚、《H・Cエクストラソード》の効果で《機甲忍者ブレードハート》攻撃力が1000アップする(攻撃力3200)。

《機甲忍者ブレードハート》の効果を発動し、自身に二回攻撃を付与させる。

3200+3200+1600=8000

 

このデッキが上手くテンポを取ってワンキルが成立してしまえば相手の手札に封印されしエクゾディアのカードが4枚揃っていて、次のドローが最後の1パーツだとしても勝利できてしまいます。

 

この状況でもし、ワンターンキルが出来なかったのなら次のドローで相手の手札にエクゾディアがすべて揃い、相手の勝ちになってしまいますね。

(かなり極端な例えでしたが…)素早い段階で自分のカードを展開し、相手の準備が整っていないうちにライフを削り取る、即ちテンポアドバンテージを獲得することが大事かをわかっていただけると幸いです。

 

このテンポアドバンテージを攻撃のテンポアドバンテージと呼ぶことにします。

 

※補足

ここで大切なのは有利な展開です。

《機甲忍者ブレードハート》を出すべき場面で攻撃力4000となった《No.85クレイジー・ボックス》を出してもなんの意味もありません。

 

2.のテンポアドバンテージについて

1.のテンポアドバンテージが攻めのアドバンテージだとするなら、こちらは守りのアドバンテージです。

 

遊戯王のルール上、ドローフェイズ→スタンバイフェイズ→メインフェイズ1→バトルフェイズ→メインフェイズ2→エンドフェイズと移行するので普通は一度全ての攻撃を退けることができたのなら、バトルフェイズが同一ターン上でもう一度行われないのでそのターン敗北することはありません。

 

守りのアドバンテージを獲得する目的は、その一度のバトルフェイズをしのぎ、攻撃に転じるためです。

防御の手段と思ってもらって結構です。

 

守りのアドバンテージの獲得方法

①《聖なるバリア‐ミラーフォース‐》、《次元幽閉》などの除去カードを使ってモンスターを除去する

②《速攻のかかし》、《和睦の使者》などのカードで攻撃を防ぐ

③守備力の高い壁モンスターを守備表示にする

 

①の方法はモンスターの攻撃を止めるだけではなく、上手くいけば相手の強力なモンスターを除去(=ボードアドバンテージとテンポアドバンテージの両方を獲得)が出来ます。

時間稼ぎに留まらず相手を壊滅に追い込むことが出来る最も大切な守りのアドバンテージの獲得方法です。

欠点としては破壊されない効果を持つ耐性持ちのモンスターが存在したり、モンスターの数が多いと必ずしも攻撃を防ぎきれないことです。

 

②の方法はこれらを止めることの出来るカードは多くなく、攻撃を止めることに関しては①より確実で優秀です。

しかし、実際には攻撃を止めただけではいたずらにカードを消費しただけに過ぎません。

ハンドアドバンテージを一枚消費して一ターンのテンポアドバンテージを得ても反撃の手段がなければその場しのぎにすぎないのです。

 

③の方法が最も多用する守備方法になるでしょう。

カードを消費しない上に、モンスターが残ればシンクロ召喚やエクシーズ召喚にもつなげられる可能性もあります。

しかし攻撃力の高いモンスターを出されてしまうと防御手段としての役割が果たせなくなってしまったり、そもそもモンスターなので除去されやすいという欠点もあります。

 

お互いのプレイヤーが1.と2.を繰り返し、ボードアドバンテージやハンドアドバンテージの獲得を目指してゆくのがこのゲームの基本的な流れです。

 

先攻後攻によって発生するテンポアドバンテージ

先攻によって発生するアドバンテージ

マスタールール改訂により先攻のドローが出来なくなりました。

手札一枚でも勝敗が決するこのゲームではハンドアドバンテージだけでみると先攻の手札5枚と後攻の手札6枚では圧倒的に後攻が有利です。

 

しかしそれでも先攻を取る価値が有るほどに先攻で発生するテンポアドバンテージというのは重要です。

 

例えば《スターダスト・ドラゴン》をシンクロ召喚して罠カードを二、三枚伏せれば《ハーピィの羽箒》や《サイクロン》といった魔法罠破壊カードが《スターダスト・ドラゴン》で防げて伏せた罠カードで防御が可能です。

その上《スターダスト・ドラゴン》と攻撃力1500以上のモンスターが二回通る、

もしくは《スターダスト・ドラゴン》の攻撃が三回と攻撃力500以上のモンスターの攻撃が一回通るだけで勝負が決します。

 

この相手を制圧する状況が成立すれば攻めと守りのテンポアドバンテージを獲得できたことになります。

制圧するギミックがあるデッキならば先攻を選ぶ価値はあります。

 

後攻からのテンポアドバンテージの巻き返し

上記のように先攻からいきなり制圧を仕掛けてくるデッキは少なくありません。

しかし、そういったデッキの殆どが一ターン目の制圧で最初の手札を使い切ってしまうので巻き返すことが出来たのなら今度は後攻側が六枚の手札と相まって圧倒的に有利となります。

《スターダスト・ドラゴン》+罠カードによる制圧の突破の一例を挙げてみます。

 

《強制脱出装置》や《次元幽閉》を《スターダスト・ドラゴン》を対象にして撃つ

《スターダスト・ドラゴン》が手札を二枚使ってシンクロ召喚されたのであれば実質カード一枚で2枚のカードを消費させたことになる上に、相手の場にモンスターがいなくなる。

相手の初期手札5枚、手札を2枚使い《スターダスト・ドラゴン》を出したときには手札は3枚。罠カードを2枚伏せたとしたら残りの手札は1枚。

次の相手ターンのドローカードを含めて手札と罠カードが2枚ずつ。

対してこちらは六枚の状態からカードを一枚使っただけなので手札は5枚。

 

《サイクロン》を発動し、《スターダスト・ドラゴン》の効果を使わせた後に《ハーピィの羽箒》等を使用する

《スターダスト・ドラゴン》は自らアドバンテージを生み出すカードではなく、アドバンテージの損失を防ぐカード。

本当に怖いのは《スターダスト・ドラゴン》ではなく、一枚で大きくこちらのカードをそぎ落とす可能性のある伏せカード。

2伏せのカードに対して2枚カードを使ったので2:2交換、ここで《スターダスト・ドラゴン》より攻撃力の高いモンスターが召喚できたのなら有利になる。

逆に召喚できない場面では打つ必要はあまりない。

 

《帝王の烈旋》を使用し、《スターダスト・ドラゴン》を生贄にして《氷帝メビウス》を召喚する。

使えるデッキはかなり限られるが《スターダスト・ドラゴン》が除去できて《氷帝メビウス》の効果で魔法罠カードを2枚破壊できるので驚異の2:4交換が成立する。

 

遊戯王は先攻の行動に合わせて後攻が対応するという流れが一般的です。

デッキによってどちらが向いているか理解して有利な方を選択しましょう。

 

 

ひとまずこれで終了です。

よくわからない箇所があったのなら遠慮なく申し出てください。

【用語説明】各アドバンテージの説明

前置き

Twitterに引き続きアドバンテージという概念の説明をします。

これらの概念を理解していないと試合を有利に進める方法(=プレイング)や、強いデッキを組む方法(=構築)の説明ができなくなってしまいます。

 

これからの説明ででてくるカード名には「」、《》の括弧を気分で使い分けます。

(例:「ブラック・マジシャン」、《青眼の白龍》)

デッキ名に関しては【】を使用します。

(例:【マドルチェ】、【ゴーストリック】)

具体的なカードを挙げて解説するのでもし知らないカードがでてきたら

遊戯王wikiで調べてみて下さい。

http://yugioh-wiki.net/index.php?%A5%C8%A5%C3%A5%D7%A5%DA%A1%BC%A5%B8

新たな発見があるはずです。

 

また、ルールや公式用語に関してはルールブックや公式サイトをご覧ください。

 

目次

【ゲームに関わる重要なアドバンテージ】

・ボードアドバンテージ

・ハンドアドバンテージ

・テンポアドバンテージ

・ライフアドバンテージ

 

【デッキによっては重要なアドバンテージ】

・墓地(除外)アドバンテージ

・情報アドバンテージ

 

かなり長くなると思いますが、恐らく今週中には基本的なことは書き終えると思います。